臨床薬理学における新たなイノベーションとその活用
ごあいさつ
第4回日本臨床薬理学会近畿地方会を平成31年6月15日(土)に和歌山県立医科大学講堂及び図書館棟を会場として開催させていただくことになりました。本地方会は、いずれも盛会裡に幕を閉じられ、歴史と伝統を着実に積み重ねているところであります。このような中で、第4回本地方会の会長を拝命しましたこと、誠に光栄に存じております。今回の会場である和歌山県立医科大学は、万葉集でも詠まれている「和歌浦(わかのうら)」あるいは西国三十三所2番霊場の「紀三井寺」に近く、風光明媚な場所に位置しています。これから重責を担いました上は、本地方会が、臨床薬理学をはじめこれに係る学際領域における進歩及び発展並びにその成果の世界への発信にこれまで以上に資するものとなるよう全力を傾注せねばならないと身の引き締まる思いであります。そこで、この決意を表明すべく、本地方会のテーマに「臨床薬理学における新たなイノベーションとその活用」を掲げさせていただきました。
本地方会では、特別講演、スポンサードシンポジウムを企画しました。特別講演1では、「ICHが描く臨床“研究”の近未来像~GCP刷新を中心に~」と題しまして、現在進められているICH-GCPの刷新と、本邦へのインパクトについて、ご講演いただく予定になっております。
また、スポンサードシンポジウムでは、新たな試みとして、パネルディスカッションでの実施を計画しています。そこでは、「抗癌剤領域の治験・臨床試験のこれまでとこれから」と題しまして、抗PD-1抗体薬/抗PD-L1抗体薬等の免疫チェックポイント阻害剤あるいは分子標的薬のこれまでの治験・臨床試験の現況を踏まえて、どのようなイノベーションが起き得るのか、あるいは、今後の薬事戦略は、どのように進むのかについて幅広いディスカッションをパネリスト及びフロアの皆様と活発に意見交換していただく予定にしております。パネリストの先生には、本邦における第一線で活躍されている臨床医の先生方だけでなく、医学統計学の著名な先生にもご参加いただくことで、様々な視点からご意見を伺う予定にしております。
さらに、特別講演2では、第3回大会と同様に、メディデータ・ソリューションズ株式会社の担当者の方から最先端の臨床試験の方法についてのご講演をいただく予定にしております。
そして、本地方会の主役として忘れられないのは一般講演です。多くのご講演をお願いいたします。 本地方会が、参加者の皆様方に満足していただけるよう、このたびは、第2内科学講座及び臨床研究センターが一丸となって取り組み、後援として「和歌山県立医科大学」も関与させていただいており、皆様のご参加をお待ちいたしております。
本大会の会場が和歌山ということもあり、皆様にはご足労いただくことになりますが、マグロや和歌山ラーメンを始めとしたグルメ、少し足を運べば白浜温泉などの観光地もあり、本大会での「学」とともに、様々な「遊」もございます。
是非、本地方会にご参加いただき、初夏の一日を有意義におすごしいただければ幸いでございます。
末筆ではございますが、皆様のご健勝とご活躍を心より祈念しております。
平成31年1月吉日
第4回日本臨床薬理学会近畿地方会 会長
和歌山県立医科大学 医学部 第二内科 教授
北野 雅之
和歌山県立医科大学 医学部 医療データサイエンス講座(附属病院臨床研究センター) 教授
下川 敏雄